カーペットからフローリングへのリフォーム費用を決定づける最大の要因は、言うまでもなく「どの床材を選ぶか」という選択にあります。フローリングの世界は奥が深く、大きく分けて三つのカテゴリーが存在し、それぞれ価格帯と特徴が大きく異なります。まず、最も高級なのが「無垢フローリング」です。天然木の一枚板をそのまま加工したもので、木の持つ本来の温もりや調湿作用、そして年月とともに深まる味わいが魅力です。材料費は平米あたり一万円を超えることも珍しくなく、さらに施工にも高い技術を要するため工賃も高めになります。次に、現在の主流である「複合フローリング」があります。これは合板などのベース材の表面に、薄くスライスした天然木(突板や挽板)を貼り合わせたものです。見た目は無垢材と遜色ありませんが、温度や湿度の変化による伸縮が少なく、安定した品質が保てるのが特徴です。価格は無垢材よりも抑えられますが、表面の天然木の厚みによって金額が左右されます。そして、最もコストパフォーマンスに優れているのが、木目を印刷した特殊なシートを表面に貼った「シートフローリング」です。材料費は平米あたり数千円と非常に安価で、なおかつ傷や汚れに強く、ワックスがけが不要なものも多いため、賃貸物件や子供部屋のリフォームで絶大な人気を誇ります。リフォームの総費用を検討する際は、これらの床材の「初期コスト」だけでなく、将来の「ランニングコスト」も考慮すべきです。無垢材は初期費用は高いですが、傷がついても削り直すことで数十年にわたって使い続けることができます。対してシートフローリングは、表面が剥がれてしまうと張り替えるしかありません。また、マンションであれば防音性能の有無も価格に直結します。床材の裏にクッション材が貼られた防音タイプは、通常のフローリングよりも一坪あたり五千円から一万円ほど高くなるのが一般的です。自分がその部屋でどのように過ごし、何年使い続けるのかをイメージしながら、価格表と睨めっこするだけでなく、素材の持つ物語や機能性を吟味することが、納得のいく費用配分へと繋がります。