ドライバーで戸車の調整ネジを何度も回してみたけれど、一向に網戸の左側の隙間が埋まらない。それどころか、ネジが空回りしているような気さえする…。もし、あなたがそんな状況に陥っているとしたら、それは戸車の調整機能が限界に達しているか、あるいは戸車そのものが寿命を迎え、破損してしまっているサインかもしれません。戸車は、常に網戸の重みを支え、レールの上を走り続ける、非常に過酷な役割を担っています。長年の使用により、車輪がすり減ったり、プラスチック部分が割れたりすることは、決して珍しいことではありません。こうなってしまうと、いくら調整を試みても、網戸の傾きを正常な状態に戻すことはできません。しかし、ご安心ください。この戸車の交換作業も、正しい手順さえ踏めば、DIYで十分に対応が可能です。根本的な原因を取り除くことで、隙間問題を完全に解決しましょう。まず、最も重要なのが、「自宅の網戸に合った、正しい交換用戸車を手に入れる」ことです。戸車には、メーカーや年代によって無数の種類が存在します。最も確実な方法は、まず網戸をサッシから外し、古い戸車をドライバーで取り外して、それを直接ホームセンターに持参し、店員さんに見せて同じものを探してもらうことです。それが難しい場合は、戸車の形状やサイズ、刻印されている型番などをスマートフォンで撮影し、それを基に探します。新しい戸車が手に入ったら、いよいよ交換作業です。網戸を外し、平らな場所に置きます。網戸の下部の側面にあるネジをドライバーで緩め、古い戸車を引き抜きます。そして、新しい戸車を元の場所に差し込み、ネジをしっかりと締め直すだけです。左右両方の戸車を交換するのがおすすめです。新しい戸車に取り替えたら、網戸をレールにはめ込み、改めて「DIY基本編」でご紹介した高さ調整を行います。新品の戸車は、調整機能もスムーズに働くため、驚くほど簡単に、そして完璧に隙間をなくすことができるはずです。調整で直らない隙間は、部品交換で根本から解決。これが、DIY上級者へのステップです。