断熱リフォームは、光熱費の削減や、夏涼しく冬暖かいといった快適性の向上だけでなく、そこに住む家族の「健康」を守る上でも、非常に大きなメリットをもたらすことが、近年の研究で明らかになってきています。住まいの断熱性能と健康には、密接な関係があるのです。その最も代表的な例が、「ヒートショック」のリスク軽減です。ヒートショックとは、暖かいリビングから寒い廊下や浴室へ移動した際など、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な健康被害を引き起こす現象です。特に、高齢者にとっては命に関わる危険な問題であり、冬場の入浴中に亡くなる方の数は、交通事故による死亡者数を大きく上回るとも言われています。断熱リフォームによって家全体の断熱性能を高めることで、部屋ごとの温度差が小さくなります。リビングも廊下も、脱衣所も、家のどこにいても温度が安定し、この危険なヒートショックのリスクを大幅に減らすことができるのです。また、断熱性能の向上は、「アレルギー疾患」の改善にも繋がる可能性があります。断熱性の低い家で起こりがちな「結露」は、壁の内部や窓際にカビやダニが繁殖する温床となります。これらのカビの胞子やダニの死骸・フンは、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患を悪化させる原因(アレルゲン)となります。窓の交換や壁の断熱によって結露の発生を抑制することは、これらのアレルゲンの発生源を断ち、室内空気環境を清浄に保つ上で非常に効果的です。さらに、冬場の室温が低い家では、活動量が低下し、風邪をひきやすくなったり、血圧が高くなったりする傾向があることも指摘されています。断熱リフォームによって、冬でも家の中が暖かく快適に保たれることは、身体的な活動性を維持し、様々な病気のリスクを低減することに繋がるのです。このように、断熱リフォームは、単なる住宅の改修工事ではありません。それは、家族が毎日を健やかに、そして安心して暮らすための、未来への健康投資であると言えるでしょう。
断熱リフォームで得られる健康というメリット