バスルームリフォームは、現在の快適さを追求するだけでなく、十年、二十年後の自分や家族の生活を見据えた「先行投資」としての側面も持っています。特に高齢化社会を見据えた介護・バリアフリー改修は、必要になってから慌てて行うよりも、通常の浴室リフォームのタイミングでその要素を組み込んでおく方が、トータルの費用を大幅に抑えることができます。介護を見据えた改修でまず検討すべきは、入り口の段差解消と引き戸への変更です。開き戸は開閉時に大きく体を動かす必要がありますが、引き戸であれば軽い力で開けられ、車椅子での出入りもスムーズになります。この変更には周囲の壁の工事が伴うため、リフォーム時に同時に行うのが最も効率的です。次に、手すりの下地補強です。ユニットバスの壁は後から手すりを付けようとしても、内部に補強板が入っていないとネジが効かず、落下の危険があります。リフォーム時にあらかじめ壁の中に下地を入れておけば、後から必要な場所に数千円の手すり代だけで追加することが可能になります。また、浴槽のまたぎ高さについても、四十センチメートル程度の低いタイプを選ぶことで、足腰が弱くなっても安全に入浴できるようになります。費用面では、こうしたバリアフリー改修には自治体や介護保険の助成金制度が利用できるケースが多くあります。一定の条件を満たせば、工事費用の最大九割、上限二十万円程度が支給されることもあるため、事前にケアマネジャーや市区町村の窓口に相談することが重要です。ただし、助成金を受けるためには「工事着工前」の申請が必須となるため、スケジュール管理には注意が必要です。介護・バリアフリーリフォームは、単に使いやすくするだけでなく、転倒事故を防ぎ、家族が安心して長く自宅で過ごすための「安心を買う」ためのリフォームです。最新のユニットバスは滑りにくい床や、急激な温度変化を防ぐ断熱性能が標準装備されていることも多いため、これにプラスアルファのバリアフリー工夫を加えることで、将来の大きな安心を手に入れることができます。今かける数万円、数十万円の工夫が、将来の多額な介護費用や入院費を防ぐための最高の備えになるのです。
将来を見据えた介護風呂改修の費用と工夫