「お風呂のリフォームは必要か」という問いを考える上で、決して見過ごしてはならないのが、「安全」と「健康」という二つの側面です。浴室は水を使う場所であり、高温多湿になりやすい空間であるため、住宅の中でも特に事故や健康被害のリスクが高い場所と言えます。リフォームは、これらのリスクを低減し、家族全員が安心して快適に過ごせる空間を確保するための、まさに「安心感への投資」なのです。最も懸念されるのが、「浴室での転倒事故」です。古い浴室は、床が滑りやすいタイル張りであったり、浴槽をまたぐ高さが高かったり、浴室と脱衣所の間に段差があったりすることが少なくありません。特に高齢者や小さなお子様は、滑って転倒しやすく、骨折や頭部外傷といった重篤な事故に繋がる可能性も否定できません。リフォームによって、滑りにくい加工が施された床材に変更したり、浴槽のまたぎ高さを低くしたり、手すりを設置したり、浴室内の段差を解消したりすることで、転倒リスクを大幅に軽減できます。バリアフリー設計は、家族の安全を守る上で最優先で考えるべきリフォームと言えるでしょう。次に、「ヒートショック」も冬場の浴室で注意すべき危険です。暖かいリビングから寒い脱衣所、そしてさらに冷え込んだ浴室へと移動する際の急激な温度変化は、血圧の急上昇や心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性があります。特に高齢者にとって、ヒートショックは命に関わる重大な事故です。リフォームで浴室全体を高断熱化したり、浴室暖房乾燥機を設置したりすることで、浴室と脱衣所の温度差を少なくし、ヒートショックのリスクを低減できます。これにより、冬場でも安心して入浴できる温かい空間が実現します。さらに、「カビや雑菌の発生」も健康面での大きな問題です。換気性能が低い古い浴室や、目地にカビがこびりつきやすい素材の浴室は、アレルギーやぜんそくの原因となるカビや雑菌が繁殖しやすい環境にあります。リフォームによって、高効率な換気扇を導入したり、防カビ・防汚加工が施された素材の壁や床にすることで、カビや雑菌の発生を抑制し、衛生的で健康的な浴室環境を維持できます。これらのリスクを考慮すれば、「お風呂のリフォームは必要か」という問いに対し、安全と健康を守るために「必要である」と強く言えるでしょう。
安全と健康は最優先!お風呂リフォームがもたらす安心感